
Q:ウェイプロデューサーからはどんなアドバイスがありましたか?
A:「早くしろ」と言われました。(爆笑)
僕はテレビドラマの監督は何本か経験していましたが、普通は少しずつステップアップしていくのに、いきなり映画の大作を任されて、自信はありましたがうまくできなかったらどうしようと必死でした。毎日次の日の撮影の準備の為に一時間くらいしか寝る時間がなかったので、それを知ったウェイさんは「ちゃんと寝ろよ、休まないと身体が心配だ」と言ってくれて、それが初めてのアドバイスでした。監督という仕事は1日に100くらいの問題を片付けなければならないので、体力が一番だと。そして二番目はカットは多めに撮れ、次に言われたのはもう少し少なくしろ…時間もお金もないからと。(笑)
Q:迫力ある野球のシーンでしたが、試合のシーンで苦労されたことは?
A:史実とのバランス、そしてリアルな動きですね。幸い、撮影チームは「KANO」と同じようにみんなで一緒に考え励まし合う良い仲間です。みんなで話し合って困難を乗り越えました。本当にみんなのお陰です。
Q:素晴らしいキャスティングの中で、野球ファンにもツボのキャスティングがされています。
甲子園大会の解説者には、元プロ野球選手で監督の水上善雄、国内大会の実況アナウンサーには、文化放送の斉藤一美という"本物"を起用されました。この方達を選んだポイントはどこでしょう。
A:水上善雄さんは直感です。キャリアに加えて優しい顔が決め手でした。アナウンサーの斉藤一美さんは、インターネットで彼の実況を聞いてこれだ!と思いました。他のアナウンサーにはない"熱"が僕のイメージにピッタリでした。(斉藤一美は、絶叫型の実況アナウンサーとして人気)撮影では2人ともほとんどNGなし、プロですね。
Q:映画が完成して嘉義で行われたプレミアは、これまでにないような大がかりもので市民の方々の熱い応援で盛り上がりました。忘れられないことがたくさんあったと思いますが…。
A:(日本語で)とっても緊張しました。実際の嘉義農林選手の皆さんの家族や親類、そして有名な野球選手の方も来ましたから。でも、もっと緊張したのはスタッフ試写の時です。公開初日の前日でしたが、みんな一生懸命作ったから、300〜400人のこの映画製作に携わった人達にもし気に入ってもらえなかったらどうしようと怖かった。見終わったらみんな久しぶりに会えたことで盛り上がって、感想は何も聞けなかった。(笑)でも、みんなそれぞれ感動して自分のFacebookに感想を書いてくれました。
Q:日本公開に向けて、観客へのメッセージをお願いします。
A:全ての答えは歴史の中にある、と言われていますが。歴史を知っていると自信が出て来ます。歴史には良いことも悪いことも、悲しいこともある。それを知ることで自分が成長できるのです。この映画は日本と台湾の歴史と想い出、優勝を目指して全身全霊で戦った野球少年たちの物語です。日本の皆さん、この映画を見て"絶対に諦めない精神"を感じて下さい。そして、この映画を見た皆さんが自分の生活の中で困難にぶつかった時に、この精神で乗り越えてくれるといいなと思います。



